nikkitan’s blog

日記を書くから、nikkitanですよー(*´・ω・`)b

ペルソナを被るということ。そして、傷つきやすい人間という生き物について。

この子が昨日から話題になってますが、恐らく、本人は今頃は、「数々の批判なんて、アホらしいので無視しよう。それより、PV増えた! やったね!」と喜んでるんじゃないかと思います。
 
 
 
私自身は、そういう生き方は頭の片隅にもなく、氷河期世代として、大学一年生の頃から就活を意識した活動を続け、内定もそれなりに頂き、その中から一番安定していそうな会社に就職し、今でもその会社で働いています。
 
なので、その子とはなんの接点も無さそうな人生なんですけど、むかーしむかし、大学生時代にHP(←時代)を始めましてね。
 
アフィリエイトなんてやってませんでしたが、(炎上したわけではなく)多い日で1日1万アクセスくらい、平均して1ヶ月で10~20万アクセスくらいはあるHPでした。
(PVで書かないのは、トップページにしかアクセスカウンターがなかったからです。これも時代ですね。)
 
その時のネタは、私のあるペルソナを活かしたものだったんですね。
私にしか書けないネタって訳ではないんですけど、ニッチな領域のわりには、ファンが多いという特性があるネタで、あまり苦労もせずにHPを運営してました。
私が発信すると、読者の方から情報が飛び込んでくることも多かったですし、雑誌なんかにも取り上げてもらったりしていました。
 
で、社会人になると、そのペルソナはあまり特徴のあるものではなくなっていたのもあり、別のペルソナでHPを立ち上げ直しました。
そのときにも、今までのHPと同じくらいアクセスはありました。ただ、これまた時代で、その時にはPVでカウントするようになっていたわけですけど。
 
 
で、そのHPでは炎上したことが数回あります。
ただ、それほど私自身は傷つかなかった。
先に理由を書いてしまうと、それは、私が普段の社会人としての生活では使用していないペルソナを攻撃されたものだったからだと思います。
そのHP上のペルソナも、私の人格といえば確かに私ではあるわけですけど、そのペルソナに対してさらにネットの中の人格を勝手に作り上げられたりして、勝手に深読みされたりもして、炎上しているのが客観的にわかりましたし。
基本的には勝手に炎上して、勝手に消火活動もされて、数日後には通常運転。
そういうのもわかっていたので、HPが炎上しているからといって、普段の生活にはさして影響なかったわけです。
例えるならば、そのペルソナはトカゲの尻尾のようなもので、社会人としての本体が無事ならば、やがて復活する類いのものだったわけです。
 
 
 
ただ、この子の場合はどうなんでしょうか。
この子は、これからどんなペルソナを被ってネタを作るのでしょうか。
今までのペルソナは、「ファッション好きな大学生」だったんじゃないんでしょうか。
でも、これからは?
 
もしかして、「生身」の自分をネタにするのでしょうか。
地方移住をネタにして、貧困生活をネタにして、たまに会う「意識高い同盟」の人たちとのやりとりをネタにして……そんな内容は今ではありふれているので、たまに炎上しそうなネタを放り込む。そして攻撃される。それでPVは稼げる。
 
でも、それは、今までの「ファッション好きな大学生」が攻撃されているのではありません。
彼はある特性を持つ社会人ブロガーになるわけではないのです。
彼は「プロブロガー」として、ブログそのものになるわけですから。
つまり、これからは、トカゲの尻尾部分ではなく、自分本体、自分自身を切り売りするということになるのでは?
 
 
 
彼の人生は彼が決めるべきなので、プロブロガーになることは否定しません。
でも、メインの人格をネットに置くのは、非常に危険だ、と思うわけです。
 
私が言うよりも、こういうプロブロガーの専門家? の記事の方が分かりやすいかもしれません。
※本当は、以前、はてブで見かけた「専門家がどんどんブログやると最強だよね」的な記事を探したんですけど、ちょっと見つけられなくて、こちらにリンクを張ります。
 
この記事にもありますが、プロブロガーになるには、「専門性」とか「カリスマ性」とか「ネット人格」とかが、非常に重要みたいですけど、なんで「万人が興味を持ちそうな専門家」が、なかなかブログに参入しないかというと、おそらくはアホらしいからですよ。
時間がないのが一番の理由でしょうけど、自分自身をブログなんかで切り売りするのがアホらしいからだと思います。ブログのPV数で承認欲求を満たしたり、お金を稼いだりする必要がないからでしょう。
 
そして、たまに出てくる「専門家ブロガー」はネタに困りません。
普段の生活でどんどんネタがたまってくるし、自ら発信すれば自ずから受信もできるし、新規参入してくる同業者も少ないですし。
「カリスマ系」の人たちも、あくまで社会人としての日常を送っている中から、みんなが共感できそうなネタを集めて、文章力を駆使して作り上げた「ネット人格」から発信することができるタイプなんじゃないかと思います。
 
 
 
そもそも、「プロブロガー」の生活というものは、なかなか「共感」はされないものでしょう。
そうなると、自分自身を切り売りしながら必死に記事を書いても、自由な生活に対する多少の羨望は得られるけど、基本的にはウォッチングされて、たまに燃やされて、PVは稼げても、広告は稼げない(そんな自由人のお薦めする商品を買っても「一般的な社会人である」自分が使うかわからないとかで)。
そんなことになるんじゃないでしょうか。
 
「ファッション好きの大学生」がどれだけ「一般的な」ペルソナか、彼は自覚しているんでしょうか。
共感を得やすいペルソナ(ただし普通すぎる)から、一気に特殊な生活を送る自分本体を切り売りし、一部の共感より圧倒的多数を占める批判でもってPVを稼ぐようになる生活(ただし現金は稼ぎにくい)になることを、ちゃんと想像できているのでしょうか。
 
 
 
恐らく彼は、数々のブコメでの批判を、「チャレンジもしたことのない、つまらない大人の説教」と考えているでしょう。
ただ、はてなブログを始めたばかりの私からの説教はともかく、自分よりPV稼いでる、はてなの有名ブロガーのコメント位は読んだ方がいいんじゃないかな(汗)
 
 
個人的には、就職課で今までの就活について客観的に振り返る機会を作ること、自己分析も一人でやるんじゃなくて他者と一緒にやってみること、
最後まで就活を頑張ってもどうしようもなかったら、ブロガーになるよりは、ワーキングホリデーを薦めます。ブログのネタにもなりそうじゃないですか(^o^;)
 
頭がいいなら、院に行くのもアリだと思います。
 
新卒カードがなくなっても、取れる手はいくつかあります。
 
 
 
 
たぶんだけど、この子は、周りに本当に頼れる大人が少ないんじゃないかと思います。。
親兄弟じゃなくて、サークルの先輩とかでもいいんですけど。
でも、ネットだと、これだけ反応してくれる人がいて、そういう意味では居心地もいいんでしょう。
でも、それは、「そんな人生に対するモヤモヤと葛藤し、乗り越えた経験がある人たち」からの反応であって、かつての自分自身に対する反応であるわけです。
 
これからの「プロブロガー」生活には、そんなものはついてこないと思った方がいい。
ひたすら、「ペルソナのひとつ」ではなく、「自分本体」に対する直接攻撃に耐える日々になることでしょう。
 
 
以上、おばさんの予言というか、戯れ事でした。。
 

 

【追記】

 私はこの子の日記を1つしか読まなかったですが(汗)、しっかりと読み込まれた方が。
うーん。。
この子はもう既に自分自身を切り売りしてブログを書いてきたんですね。。
そして、ちゃんとしたアドバイスをくれる大人が周囲にいなさそう、という感想は同じでしたか。。
うーん。。